第5話 資金計画の立て方
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半ば勢いで独立を決意し、会社を退職したプログラマーのゆうこ。税理士・藁に開業にあたっての相談をし、手続きについて教えてもらう。そして開業届を提出し、いよいよ開業をしたのであった。
コンコン、と扉をノックする音と同時に、入るわよ~と母が声をかけて部屋に入ってきた。「洗濯物乾いたやつと、あと郵便が来てたわよ」と言うと母は、きれいにたたまれた洗濯物と郵便物をテーブルの上に置いた。まわりの友人たちは、一人暮らしで自分の家事は自分でしていたり、もう結婚している友人に関しては家族の分まで家事をしているというのに、全くもってありがたいことである。
「ありがとう」ゆうこはパソコンと向き合いながら礼を言う。ん~と何か考えこんでいる様子の娘に母は「何うなっているの?」と聞く。ゆうこは振り返り、母の方を向く。「資金の計画表を作っていたの。私、開業準備にはあまりお金がかからなかったからお金のことって漠然としか考えていなかったんだけど、これからのお金のことをちゃんと考えておかないとって思って」
ゆうこは自宅を事務所としており、プログラマーという仕事であることもあって、開業自体には費用があまりかからなかったのだ。しかし、これから仕事を始めてお金が入ってくるまでには少し時間がかかる。会社勤めの時のように毎月きちんと収入があるわけではない。