ゆうこ起業する(小説風) | 税務・会計の専門家 藁総合会計事務所
第5話 資金計画の立て方
半ば勢いで独立を決意し、会社を退職したプログラマーのゆうこ。税理士・藁に開業にあたっての相談をし、手続きについて教えてもらう。そして開業届を提出し、いよいよ開業をしたのであった。
コンコン、と扉をノックする音と同時に、入るわよ~と母が声をかけて部屋に入ってきた。「洗濯物乾いたやつと、あと郵便が来てたわよ」と言うと母は、きれいにたたまれた洗濯物と郵便物をテーブルの上に置いた。まわりの友人たちは、一人暮らしで自分の家事は自分でしていたり、もう結婚している友人に関しては家族の分まで家事をしているというのに、全くもってありがたいことである。
「ありがとう」ゆうこはパソコンと向き合いながら礼を言う。ん~と何か考えこんでいる様子の娘に母は「何うなっているの?」と聞く。ゆうこは振り返り、母の方を向く。「資金の計画表を作っていたの。私、開業準備にはあまりお金がかからなかったからお金のことって漠然としか考えていなかったんだけど、これからのお金のことをちゃんと考えておかないとって思って」
ゆうこは自宅を事務所としており、プログラマーという仕事であることもあって、開業自体には費用があまりかからなかったのだ。しかし、これから仕事を始めてお金が入ってくるまでには少し時間がかかる。会社勤めの時のように毎月きちんと収入があるわけではない。
第4話 開業時に提出する書類・青色申告について
開業準備を始めていたゆうこ。フリーランスの先輩でもある元上司の鈴木を始め、同業者や他業種でも独立して仕事をしている知人をあたり、開業後の仕事の流れや経験談など、いろいろな話を聞いてまわっていた。
ゆうこは一見しっかりしているようで、実際はお調子者な面もあり、昔からどこか危なっかしいところがあった。愛想はあるので、周囲の人間はついつい世話を焼いてしまう。今回も急に独立すると言い出したので、周囲は大丈夫なのかとあれこれ心配をしているのであった。こういった世話焼きな知人・友人のおかげで今日のゆうこがいると言える。
開業後の仕事のことで頭をいっぱいにするゆうこであったが、肝心の「開業」をまだしていない。
鈴木に紹介してもらった税理士の藁を訪ね、開業にあたっての相談を聞いてもらい、開業の手続きを教えてもらうのであった。
第3話 相談相手の選び方
「おじゃまします」
鈴木に連絡を取ったゆうこは、鈴木の自宅に招かれた。
「悪いね、こっちまで来てもらっちゃって」
「いえ、こちらこそお忙しいところすみません」
鈴木は小学1年生になる娘を持つ主婦である。2年前に会社を退職し、現在はフリーランスで在宅プログラマーをしている32歳。面倒見の良い鈴木にゆうこは公私ともに世話になっていた。仕事と育児を両立する鈴木を、ゆうこは仕事の先輩としても女性としても尊敬している。
第1話 会社を辞めた時の保険のお話
プログラマーとして会社に勤めていたゆうこ。ひょんなことから独立を決意し、会社を辞める。だが開業するとなると何をどうしたらよいのか…。そんなゆうこが独立して仕事をしていく過程を掲載していきます。
第2話 健康保険の移行しました、そして年金について
役所に行き、国民健康保険の加入手続きを済ませたゆうこ。
平日の夕方、帰り道に空を見上げると夕陽がとてもきれいだった。夕陽を見るのも久しぶりだったが、こうして空を見上げるということもずいぶんとしていなかったのだなぁと、これまで心の余裕もなく家と会社の往復ばかりしていたのだと気づくのであった。