会計事務所
第12話 重要書類の紛失・盗難が発生したら
事務所を借り順調のゆうこにトラブル発生!
事務所を借り、心機一転。今日は大きな取引があり、何日も前から準備をしてきたゆうこは緊張気味。
「忘れ物の最終確認…よし、オッケー。行ってきます!」
従業員「いってらっしゃい」
夕方、事務所のドアが勢いよく開く。
ゆうこ「戻りました。取引成立!今日は打ち上げだ!」
従業員「おめでとうございます!」
行きつけの居酒屋で散々飲んだ後、終電間近に解散。
「今日はすごく良い日だった。頑張ってきてよかった。」
そんなことを思いながら最寄り駅から自宅まで歩いていたゆうこだったが、一瞬で顔が青ざめる。
「ない…鞄がない…落ち着けゆうこ。どうしてない…居酒屋で会計しました。電車に乗りました。鞄は…網棚に置きました。あああ!」
なんと電車に鞄を置き忘れてきてしまったゆうこ。中には今日取ってきた契約書、印鑑、通帳などが入っている。
まず鉄道会社に連絡したが、届けられていなかった。その後警察にも届け出た。震えが止まらないゆうこ。
最悪の事態を想像して一睡もできず迎えた朝。鉄道会社から連絡がきた。幸運なことに、鞄は届けられ中身も無事だった。
第11話 設備投資でお金を借りる
不動産屋で物件が見つかり借りることにしたが…
不動産屋で物件選びをしているゆうこ。悩んでいたとき条件の合う物件が見つかり即決した。物件の詳細情報は家賃20万(当月分+来月分40万)、敷金6か月(120万)、仲介手数料1か月(20万)、合計180万。
「お金が、、、ない、、、」
困ったゆうこ、そんなときは税理士に相談しよう。以前、先輩プログラマー鈴木に紹介してもらった税理士に相談することにした。
「事務所を借りようとしてまして、いい物件があったんですが、お金がないことに気がつきました。どうしましょう。」
「事務所借りるんだ。なんでですか?」
「人を雇うことにしたので、自宅より事務所を借りたほうがいいと思いました。」
「これから人件費も増えるわけか。事業は順調ですか?」
「はい。なんとか…もっと頑張らないといけないですが。」
「がんばってください。」
税理士に言われ改めて気合いを入れ頑張らないとと思った。
「まずどれくらい設備投資をするのか考えて。不動産資金の他にも内装工事とか事務所内の什器備品とか計算してみてください。」
ゆうこは帰るやいなや設備投資にかかる金額を計算し始め金額を税理士に伝え、日本政策金融公庫から融資を受けることにが決まった。
第10話 事務所借りる
個人事業主のゆうこは、周囲の人に相談しつつ年末調整も終わり、そろそろ事務所を借りる?
久しぶりの休日、気温も暖かくなり散歩をしていたゆうこ。
不動産屋の前を通り、そういえば自宅を職場にしていたけど、事務所を借りるのもいいな~と思った。
行動力があるゆうこは、すぐ不動産屋に入った。
店員「いらっしゃいませ。本日は、どのような物件をお探しですか?」
思いつきで行動したため、ゆうこはしどろもどろ。
「えっと、ちょっと、あのー事務所を借りたいと思いまして。」
店員「事務所用の賃貸ですね。業種、従業員さんは何人でしょうか?それと、場所はどこがいいとか、家賃はどのくらいなど希望はありますか?」
質問攻めで困るゆうこ
「えっと、特に考えず来てしまったんですが....」
店員「事務所だとおすすめは○○駅、××駅とかの周辺はいかがでしょう?ここら辺の賃料の相場は○○万円ぐらいで、、、」
店員さんが親切に説明をしてくれたが、何も考えていなかったため、全く頭に入らなかった。取りあえず考えます。と伝え不動産屋を出た。店員さんが教えてくれた物件資料など参考にし、物件探しを始めた。
第9話 年末調整について
仕事が増え1人では大変になり従業員を雇うことに決めたゆうこ。年末も迫ってきたある日の先輩プログラマー鈴木との会話。
第8話 雇用について
契約書を作り終え、仕事の依頼も徐々に増えてきて順調なゆうこだったが…
先輩プログラマーの鈴木に色々とアドバイスをもらいながら経営してきたゆうこ。
徐々に仕事も増えてきて忙しい日々のなか、体調を崩してしまう。ある日、鈴木から電話がかかってきた。
「仕事順調らしいけど体調崩したんだって?大丈夫?」
いつも気にかけてくれる優しい鈴木。
「はい、最近仕事の依頼も増えてきて嬉しいですが、休む暇もなく体調を崩してしまいました…」
「あんまり無理しちゃだめだよ。」
「気をつけます…。自分はもう手一杯で人がほしいと思ってきました。」
「人がほしいというのは、誰しもが1人で事業を始めた後に来る悩みよ。もう1人いれば、もっと仕事が受けることができるし売上が増えるかもしれない。でも、人を雇えば売上が少し増えれば良いというわけにはいかないわよ。」
「そうですよね。」
「最低でもその人に支払う給与分は稼いでもらわなければ、自分の手取金が減ってしまう。それに雇うことによって経費も増えるから、実際には給与分じゃ足りないんだけどね。それでも雇いたい?」
「なんだかいろんな出費が増えるんですね…。でも今後のことも考えると雇いたいと思います。」
第7話 契約書の作成と注意点
資金計画・経営計画は立てたものの、実際の経営はなかなか順調にはいかず…
開業早々に知人からの紹介で仕事をもらい、納品を終えて請求書を出していたゆうこ。
会社員時代とちがい、毎月決まった収入があるわけではないため、会社を退職してからこれまでの期間、貯金を切り崩して生活していた。
ようやく収入が入るのを楽しみにしていたのだが、なかなか入金がされない。
「請求してから1ヶ月以上経つのに、まだかなぁ」
通帳を見ながら不満を漏らすゆうこ。
「鈴木さんは普段、請求してからどれくらいで入金されているのかな」
ゆうこはフリーランスの先輩プログラマの鈴木に聞いてみることにした。
第6話 経営計画書
会社を退職した個人事業主として開業をするにいたったプログラマーのゆうこ。資金計画について自分で考えてみたが…
「開業したばかりだけど、その後調子はどう?」
先輩プログラマーの鈴木が、ゆうこの自宅であり事務所としている部屋へやって来た。
以前開業前に鈴木に相談にのってもらったときには鈴木の家にお邪魔したが、今日は鈴木がゆうこの家へとやって来た。今日は旦那が休みで子どもの世話を任せているとのことだった。子持ちの主婦でありながら、在宅プログラマーとしての仕事もしっかりこなしている鈴木の家庭内権力は強い。
「いや~慣れないことばかりですが、なんとかやっているところです」
ちょっとした事務作業一つとっても、慣れない作業を自分で調べながらやっていくのは一苦労であるのを実感していた頃であった。
「まぁ初めはいろいろと大変だと思うけど、何かあったら話ならいつでも聞くから」
そう言ってくれる姉御肌の鈴木に、これからもお世話になります!とゆうこは拝むのであった。
第5話 資金計画の立て方
半ば勢いで独立を決意し、会社を退職したプログラマーのゆうこ。税理士・藁に開業にあたっての相談をし、手続きについて教えてもらう。そして開業届を提出し、いよいよ開業をしたのであった。
コンコン、と扉をノックする音と同時に、入るわよ~と母が声をかけて部屋に入ってきた。「洗濯物乾いたやつと、あと郵便が来てたわよ」と言うと母は、きれいにたたまれた洗濯物と郵便物をテーブルの上に置いた。まわりの友人たちは、一人暮らしで自分の家事は自分でしていたり、もう結婚している友人に関しては家族の分まで家事をしているというのに、全くもってありがたいことである。
「ありがとう」ゆうこはパソコンと向き合いながら礼を言う。ん~と何か考えこんでいる様子の娘に母は「何うなっているの?」と聞く。ゆうこは振り返り、母の方を向く。「資金の計画表を作っていたの。私、開業準備にはあまりお金がかからなかったからお金のことって漠然としか考えていなかったんだけど、これからのお金のことをちゃんと考えておかないとって思って」
ゆうこは自宅を事務所としており、プログラマーという仕事であることもあって、開業自体には費用があまりかからなかったのだ。しかし、これから仕事を始めてお金が入ってくるまでには少し時間がかかる。会社勤めの時のように毎月きちんと収入があるわけではない。
第4話 開業時に提出する書類・青色申告について
開業準備を始めていたゆうこ。フリーランスの先輩でもある元上司の鈴木を始め、同業者や他業種でも独立して仕事をしている知人をあたり、開業後の仕事の流れや経験談など、いろいろな話を聞いてまわっていた。
ゆうこは一見しっかりしているようで、実際はお調子者な面もあり、昔からどこか危なっかしいところがあった。愛想はあるので、周囲の人間はついつい世話を焼いてしまう。今回も急に独立すると言い出したので、周囲は大丈夫なのかとあれこれ心配をしているのであった。こういった世話焼きな知人・友人のおかげで今日のゆうこがいると言える。
開業後の仕事のことで頭をいっぱいにするゆうこであったが、肝心の「開業」をまだしていない。
鈴木に紹介してもらった税理士の藁を訪ね、開業にあたっての相談を聞いてもらい、開業の手続きを教えてもらうのであった。
第3話 相談相手の選び方
「おじゃまします」
鈴木に連絡を取ったゆうこは、鈴木の自宅に招かれた。
「悪いね、こっちまで来てもらっちゃって」
「いえ、こちらこそお忙しいところすみません」
鈴木は小学1年生になる娘を持つ主婦である。2年前に会社を退職し、現在はフリーランスで在宅プログラマーをしている32歳。面倒見の良い鈴木にゆうこは公私ともに世話になっていた。仕事と育児を両立する鈴木を、ゆうこは仕事の先輩としても女性としても尊敬している。