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第7話 契約書の作成と注意点

資金計画・経営計画は立てたものの、実際の経営はなかなか順調にはいかず…

開業早々に知人からの紹介で仕事をもらい、納品を終えて請求書を出していたゆうこ。
会社員時代とちがい、毎月決まった収入があるわけではないため、会社を退職してからこれまでの期間、貯金を切り崩して生活していた。
ようやく収入が入るのを楽しみにしていたのだが、なかなか入金がされない。
「請求してから1ヶ月以上経つのに、まだかなぁ」
通帳を見ながら不満を漏らすゆうこ。
「鈴木さんは普段、請求してからどれくらいで入金されているのかな」
ゆうこはフリーランスの先輩プログラマの鈴木に聞いてみることにした。

「請求してからどれくらいで入金が入ってきてるかって?そりゃ契約書で決めた期日で、請求書にも支払期日を書いてるからその日までには入ってきてるわよ。あんた、業務委託を受けるときに契約書作ってなかったの?」
請求書は作ったが、契約書の存在をすっかり忘れていたゆうこ。
「小さい案件だったのですぐに終わるものでしたし、口頭でやりとりしていたので作ってませんでした。請求書も、支払期日は書いてませんでした…」
「トラブルを防ぐためにも、契約書は作っておいた方がいいわよ。金額が大きくなれば特にね。請求書も、問い合わせがあることもあるから、ちゃんと控えを取っておかないとだめよ」
鈴木から契約書についての注意点を教えてもらったゆうこは、次回からは契約時には契約書を出し、請求する時には請求書の内容をしっかり確認して出さなければと反省したのであった。

 

契約書

口約束も契約ですが、「言った、言わない」のトラブルを防ぐためにもしっかり書面に残すことが大事です。
もし裁判で争うことになったとしても契約書が証拠となります。契約書はリスクから、自分を、会社を守るために作成するものなのです。
 

主な契約書の内容(ゆうこの場合)
・目的      内容を具体的に記載する。何をするのか。どこまでやる依頼なのか。
・報酬      金額、支払期日、支払方法など。
・契約期間    いつからいつまでか。中途解除や自動更新の有無など。
・契約解除    契約違反や契約不履行があった場合について。
・権利      成果物(ホームページ)の権利がどちらに帰属するか。
・再委託     第三者に再委託が可能か。
・秘密保持    業務を遂行する上で知り得た情報を第三者に開示しないこと。
・禁止事項    禁止することがある場合。
・契約不適合責任 成果物が契約内容に適合しない場合の責任。報酬の減額、損害賠償、契約解除など。

契約書の作り方を見ると難しく書かれていますが、お互いの合意内容が契約書に書かれていればよいのです。
最初はひな形やサンプルを参考に漏れが無いように作っていきましょう。

 

トラブルを回避するためのポイント

契約書がきちんと効力を持ち、後々問題にならないものにする必要があります。そのための注意点を挙げていきます。

①作成年月日を書く
 契約時に日付はきちんと記入しましょう。

②署名捺印をする
 お互いに住所、氏名(名称)を記入し、きちんと押印しましょう。

③収入印紙を貼る
 収入印紙を貼って無くても契約書自体の効力がなくなる訳ではありませんが、収入印紙を貼るべき契約書(課税文書)に収入印紙を貼っていない場合は、本来納付すべき金額の3倍課せられます。印紙を貼付したら消印をすることも忘れずにしましょう。

④契約書の原本を二通作成する
 原本を一通のみ作成し、一方が原本、他方はコピーということがありますが、契約書のコピーでは証拠能力の点で問題が大きいので、お互いに原本を一通ずつ持った方がよいでしょう。

⑤捨印を押さない
 記載した文章の誤りを訂正するには訂正箇所に双方の印鑑を押します。捨印はこの訂正印をあらかじめ契約書の余白に押しておくことをいいます。
 メリットは誤字や脱字があった場合、訂正印のために双方が集まる必要がありません。ですが、この捨印をすることにより、あとから相手方が合意なく訂正や修正することが可能となってしまいます。重要な部分に勝手に訂正が加えられる可能性もあります。なので極力捨印は押さないようにしましょう。

 
契約書に関する印紙税を忘れない

契約書が「課税文書」に該当する場合、印紙税を納める義務があります。課税文書とは、印紙税法別表第1(課税物件表)に掲げられている文章で、その内容を証明する目的で作成された文書のことです。


個人事業主が取り交わすことになる契約書で、具体的に収入印紙を貼るべき契約書は次のようなものがあります。
第2号文書…請負に関する契約書
請負人がある仕事を完成させることを約束し、注文者が報酬を支払うことについて、契約書を交わしたもの。
(例)工事請負契約書、注文請書、保守契約書など
第2号文書に該当する場合の印紙税の金額は国税庁ホームページに印紙税額一覧表が載っています。

長期間の契約書については、第7号文書に該当する可能性があます。
第7号文書…継続的取引の基本となる契約書(契約期間が3ヶ月以内でかつ更新の定めのないものは除く)
営業者間にて売買、売買の委託、請負などに関する契約で、2以上の取引を継続的に行うことについて、その目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法などの事項を定めた契約書。この場合印紙税は一律4千円となります。
(例)売買取引基本契約書、下請基本契約書など

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