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急げ、もたもたするな!『2014年04月号Way To The Top』より

スタートアップ!、事業を興すときに最も重要なものはスピードです。資金がなくなる前に、企業が存在できる方法を構築しなければならないからです。スピードが遅くなるのは、間違えを犯し、その間違えを直すのに時間がかかるということです。間違えを犯すことは仕方がありませんが、いかにその間違えを早く修正できるかがポイントです。

起業が難しいのは!
起業や新しい事業はに難しいものです。「何しろやってみなければわからない。」という側面が大きいからです。実際、2年で30%、3年間で48%、10年で72%が廃業します。たとえ、起業する業界の知識を多く持っていて、その業界で十分な経験があっても、多くの企業が廃業に追い込まれています。
もし、新しく興した事業が生き残ることができたとしても、先行している企業と同じ製品やサービスを提供していれば、事業の将来性はなく、苦労だけを背負うことになります。

希望、挫折
多くの起業者は、大きな希望をもって起業します。希望が大きければ大きいほど、製品やサービスが革新的であればあるほど、市場や顧客とのズレが発生する可能性があります。
ピータードラッカーは「やってはいけないことをすばらしい効率でおこなうことほど無駄なことはない。」といっています。いわれなくても誰もが知っていることです。しかし、それが新しい製品やサービスであったら悲劇です。それまでの全ての努力が無意味になるからです。
もし、その様な事が起きたとしても、速やかに軌道修正できれば、良い経験になります。必要な失敗だったのかもしれません。そもそも、何の間違えもなく。効率的に事業を興すなんてできるのでしょうか。「将来の事業や顧客のことが既にわかっていて、その市場で優位性を築くために必要なことができるなら・・。」、それも「あなただけが、知っている。」なんてことはありません。それができるのは神様だけです。

リーン・スタートアップという本で、エリック・リースという人が、みずからの失敗を教訓に起業について書いてます。

完全を目指すな
事業に真摯に取り組んでいればいるほど、完璧を目指してしまいます。
革新的な製品やサービスが完成するタイミングで、営業部隊、広告などのマーケティングを準備して、ついに販売開始、顧客は大喜びで製品やサービスを購入し、一気に次のステージに進む。経営者なら誰もが思う理想であり、目指したいところです。ただ、思うように行かないのが事業です。製品やサービスの完成が遅れ、事業資金を消耗します。完璧な製品を作るために、どんどん遅れていきます。全ては、完全を求めることから始まっています。
エリック・リースは、全てが準備万端に揃っていなくても、事業は始められるといい。むしろ、傷が浅い内に軌道修正をすることができるので完全を目指してはいけないといいます。中途半端でも、使ってもらって、製品やサービスのコンセプトが間違っていないかを確認しながら、実験をしながら、正しい方向に事業を進めていく方が効率的です。

実験だ!
起業や事業を興すというのは経営者の非常識な思い込みが必要です。それがなければ始まりません。ただ、その思い込みが事業の継続を難しくし、誰も止められなくなります。
もし製品やサービスが顧客の望まないモノだとすれば、完成するまでの時間とお金と経営者の情熱。販売開始までに周到に準備をしている営業部隊の採用、営業戦略、準備期間の給与。スタート時のマーケティング費用の全てが無駄になります。資金力のある大手企業の事業部であればマネージャの左遷だけで、その事業は継続されるかもしれません。しかし、起業したばかりの企業であれば、誰も使わない製品やサービスと借金が残り、事業の継続することができません。
もっと具体的にいえば、6ヶ月をかけて製品やサービスを作って、顧客に使わせるより、1ヶ月で半端な状態であっても顧客に使ってもらった方が、時間を無駄にせずにすみます。実用最小限の製品・サービスで方向性の確認をおこなうことが重要です。
その他にも実用最小限の効果として、リーダーの指示に従う社員達にとっても、それは手の届く実現可能な具体的な目標を意味します。曖昧さがないともいえます。社員達のエネルギーを結集させるためにも最も良い手段なのです。
このように短期間での開発について起業や企業内事業のスタートアップについて説明をしましたが、マーケティングにおいても、このような手法はよく使われます。例えば、1995年当時の日本の車の開発期間は、日本のメーカーの場合45ヶ月に対して、米国と欧州メーカーはそれぞれ54ヶ月と57ヶ月でした。頻繁に新車を投入することで注目され、技術者は、経験を積むことができます。開発期間が長く、もし顧客に指示されない製品であった場合には、無駄なマーケティングコストを使うことになります。経営上も開発期間が短いということは、資金の回収が早いということになり、回収した資金を新たな開発資金として投入することで、競争相手に対して優位に立つことができます。

集中することのメリット
1 エリック・リースの意見を細かく書きましたが、簡単にいうと「一歩一歩、確実に進みなさい。」と、「その一歩が間違っていれば戻りなさい。そのために集中しなさい。」ということです。
2 口コミがしやすい
顧客側にから考えれば、すごい製品やサービスをクチコミするのに、あれもこれもすごいというより、「これがすごい」といった方が説明がしやすく、口コミの効果が上がります。
3 ド集中
皆さんも経験があると思いますが、自分が調子が良く「イケイケ」のときは、何か一つのことに集中しているものです。
4 資金の集中
新しい事業で最も弱いのが、運転資金や開発資金が少ないことです。限りのある資金を最も重要なところに集中して投入しなければ、事業運営ができなくなります。資金があり余っているなら、大事だと思われることの全てに資金を投入すればいいのですが、もし、資金が贅沢にあるなら、リスクをとって事業を始める必要もありません。
5 注意力
起業時に集中しなければならないのは、いくつかのことを同時並行でおこなうと、経営者が目が届かなくなります。つまり判断が甘くなるのです。この時期は一つ一つの経営判断で生き死にが決まる大事な時期なのです。適切な判断をするために資金、人、顧客、情報を集中し、それを新しい製品やサービスの開発に集中させなれればなりません。

時には効率よく仕事を進めるために仕事を止める
「急がば回れ」です。トヨタ生産システムでいう「アンドン」です。品質問題のためのクレーム対応、顧客の不満への対応のために、業務効率を落とすくらいであれば、原因究明のために、全ての業務をストップしなさい。「なぜ?」を5回繰り返して、みんなで考えるのです。先行き貴重な資源を浪費しない為に、「アンドン」を活用することも重要です。
例えば、機械が止まったときに、「なぜ?」を5回繰り替えいしてみます。
1 なぜ、この機械は止まったか? - 過負荷になってヒューズが飛んだ。
2 なぜ、過負荷が起きたのか? - 軸受け部の潤滑が十分でなかった。
3 なぜ、潤滑が十分でなかったのか? - 潤滑ポンプが十分に働いてなかった。
4 なぜ、ポンプが十分に働いてなかったのか? - ポンプの軸が摩耗していたから。
5 なぜ、軸が摩耗したのか? - 濾過器がないので切り粉が入った。
結論ha
、「濾過器切り粉が入らないようにしよう!」ということになります。

有利、それとも不利
事業を興して、先行企業と同等の商品やサービスを準備したとしよう。この新興企業は、有利ですか、それとも不利ですか?
答えを待つ必要もありません。なぜなら、有利でも不利でもないからです。有利とか不利とかは、違いがあって初めて成り立つのです。
違いがあるから私たちは、得意な分野で正面から戦い、不得意な分野では戦いを回避するのです。

せっかく新しい事業を興すのですから、違いのある事業を興したいものです。

参考文献
『リーン・スタートアップ」エリック・リース著
『良い戦略、悪い戦略』リチャード・P・メルトル

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