相続土地国庫帰属制度
相続土地国庫帰属制度は、令和5年4月27日から施行され、相続や遺贈で取得した土地を一定の要件を満たす場合に、手放して国に帰属させることが可能となる制度です。利用しない土地や管理が困難な土地を所有者が手放したいというニーズに対応し、将来的な「所有者不明土地」の発生を防ぐことが目的です。この制度により、土地を適切に管理し、地域社会への負担を軽減することが期待されています。
相続により取得した不動産の名義変更を放置したり、名義変更しても土地の管理を怠ることにより、今にも崩れそうな家や、雑草で家だかなんだかわからない状況になっているのを、都内でも見かけます。そのためにこの相続土地国庫帰属税度が生まれました。
他にも、こんな効果があると考えられています。
1所有者不明土地による公共事業の遅延防止
2不法投棄や環境汚染のリスク軽減
3空き地による防犯リスクの軽減
4地域の景観維持
5土地管理トラブルの減少
6住民トラブルの予防
7農地や山林の荒廃防止
この制度の対象となる土地
・建物がないこと
・担保権や使用収益権が設定されていないこと
・土地が崩壊や汚染などのリスクを抱えていないこと
・境界が明確で、近隣との紛争がないこと
2024年5月31日時点の実績はデータでは、申請数は2,207件あり、そのうち483件が審査結果を得ています。そのうち460件が承認され、23件が却下または不承認となっています。