個人事業主のゆうこは、周囲の人に相談しつつ年末調整も終わり、そろそろ事務所を借りる?

久しぶりの休日、気温も暖かくなり散歩をしていたゆうこ。
不動産屋の前を通り、そういえば自宅を職場にしていたけど、事務所を借りるのもいいな~と思った。
行動力があるゆうこは、すぐ不動産屋に入った。
店員「いらっしゃいませ。本日は、どのような物件をお探しですか?」
思いつきで行動したため、ゆうこはしどろもどろ。
「えっと、ちょっと、あのー事務所を借りたいと思いまして。」
店員「事務所用の賃貸ですね。業種、従業員さんは何人でしょうか?それと、場所はどこがいいとか、家賃はどのくらいなど希望はありますか?」
質問攻めで困るゆうこ
「えっと、特に考えず来てしまったんですが....」
店員「事務所だとおすすめは○○駅、××駅とかの周辺はいかがでしょう?ここら辺の賃料の相場は○○万円ぐらいで、、、」
店員さんが親切に説明をしてくれたが、何も考えていなかったため、全く頭に入らなかった。取りあえず考えます。と伝え不動産屋を出た。店員さんが教えてくれた物件資料など参考にし、物件探しを始めた。

 

1.自宅を職場にするメリット、デメリット
メリットは家賃、水道光熱費、事務所までの交通費の経費を抑えられることです。
デメリットは、事業用のスペースが狭い、仕事モードにならない、集中しにくい、来客を招きにくい、自宅の住所を知られてしまうなど。

 

2.地域、物件を選ぶときのポイント
まず事務所を構えたい地域や立地を考えましょう。業種や業態、ターゲット顧客の状況、競合他社、交通の便、家賃など総合的に勘案し決定しましょう。
譲れないポイントやこれは妥協してもいいなど優先順位を考えて不動産屋に伝えると良いでしょう。

 

3.なぜこの物件は空いたのか
前のテナントが利便性が良かったなら、退去するはずがありません。街中で見かける、数年でコロコロお店が変わるような所かもしれません。何か理由があるかもしれないので不動産業者や近隣住民に、どうして上手くいかなかった聞いてみてください。何か原因があるならその原因が自分なら克服できるか考えてみて下さい。

 

4.契約書の内容を確認
物件が決まれば契約書です。しっかりと内容を確認しましょう。

契約形態の確認
普通借家契約と定期借家契約があります。普通借家契約は契約期間満了しても、借主が更新を望むと更新されます。定期借家契約には更新がありません。契約期間が満了したら物件を明け渡さないといけません。ですが、貸主との合意がとれれば再契約することは可能です。また基本的に契約期間内の途中解約はできません。

契約期間、更新の定め
次に契約期間を確認します。契約の更新手続きや更新料の有無などの確認しましょう。

賃料や管理費、共益費
賃料や管理費の額と支払方法、支払期日を確認します。
多くの場合、振込や自動引落で、翌月分を前月末日までに払うことになっています。
また、滞納時に延滞金が必要な場合は延滞利率についても確認しておきましょう。

使用目的
使用目的が限定されている物件もあります。居住用しか認められていない物件、また業種が限定されている場合もあります。
必ずチェックしておきましょう。

敷金(保証金)
敷金とは家賃を滞納してしまった時や故意または過失による建物の破損した時の修繕費を充当するために貸主に預けているお金です。退去時に敷金と原状回復費用との精算をして返還されます。また償却がある場合は、退去時に敷金から無条件に差し引かれます。償却額より原状回復費用が少なくてもその分の敷金は返還されません。トラブルが多いので、原状回復に関する取り決めも含めしっかりと確認しましょう。

修繕
入居中の物件の修繕に関する取り決めです。一般的には、通常の物件の使用に必要な修繕は貸主が行うこととなっています。
借主が故意または過失によって必要になった修繕は借主が行います。このような取り決めが不明確だとトラブルとなることもありますので注意しましょう。

禁止事項
ペット飼育、楽器演奏、共用部分に物品を置く、又貸しなど契約によって異なりますので確認しましょう。

契約解除
貸主からの契約解除の要件が取り決められています。賃料を2ヶ月分以上の遅滞、禁止事項の違反などが挙げられます。

確認すべき事項はこれだけではありませんので、一通り契約書を読み、疑問点や不明点は自分が納得できるまで確認することが大切です。

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