空き家問題への対策は?

■空き家の現状
総務省の「平成二十五年住宅・土地統計調査」によれば、平成二十五年における住宅数は、六千六十万戸であり、総世帯件数約五千二百四十万戸に対して単純計算で、約八百二十万戸空き家率は十三.五%と過去最高を記録した。これら空き家は、地域住民の生活環境などに悪影響を及ぼしていることから大きな社会問題になっている。こうした「空き家問題」への対策として、平成二十六年十一月に「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が制定され、平成二十七年二月二十六日に施行された。平成二十八年度税制改正において、「空き家の譲渡所得の三千万円控除制度」が創設されました。これは、相続により取得した一定の空き家のうち耐震リフォームして売却、あるいは建物を取り壊してその敷地を売却した場合、その家屋または土地の譲渡所得から三千万円の特別控除を認めるというものである。
■制度の概要
「空き家の譲渡所得の三千万円特別控除制度」の具体的内容は、①相続開始直前において被相続人のみが居住の用に供していた家屋(昭和五十六年五月三十一日以前に建築された家屋)および、その敷地を②相続遺贈により取得した相続人が③平成二十八年四月一日から平成三十一年十二月三十一日までにの間に④その家屋・敷地を相続開始の日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までに譲渡した場合、「居住用財産を譲渡した場合に該当するものと見なして、居住用財産の譲渡所得の特別控除(三千万円特別控除)を適用することができる特例である。この改正は、空き家の発生原因の約四割を占める相続等による取得を特例適用要件の一つにして、譲渡に伴う税負担の軽減措置を講じることを通じてその譲渡を促進し、対象不動産の利用を図るための措置になっている。

(事例1)
新しい住宅を購入することを計画しています。まず、亡くなった母が一人で住んでいた住宅を平成二十九年中に売却して、その売却代金で手付け、中間金を支払い、現在自分がすんでいる住宅を平成三十年中に売却して最終代金を支払う資金計画でいます。
(回答)
居住用財産の三千万円特別控除を連年適用することは可能です。また、同じ年に売却した場合でもそれぞれの譲渡に三千万円の特別控除は適用できますが、合計額は三千万円が上限になります。

(事例2)
空き家特例三千万円控除を適用した譲渡について、相続税の取得費加算の特例をさらに適用することができるのでしょうか?
(回答)
相続により取得した財産の譲渡につき相続税の取得費加算の特例の適用を受ける場合には「空き家特例」の適用は受けることはできないとされています。

(事例3)
十数年前の父の相続時に、土地を母が、家屋を子が相続しました。当該家屋には母が一人で居住していたが、今回母の相続時に「空き家特例」を適用できるのでしょうか。
(回答)
適用できません。

(事例4)
亡くなる直前まで父が一人で住んでいた家屋と敷地を兄弟二人で相続し、耐震工事を行って売却しました。それぞれの者が三千万円の特別控除を適用できるのでしょうか?
(回答)
兄弟二人で家屋を取得しているので、それぞれの者にかかる譲渡所得の金額から三千万円を控除することができます。

(事例5)
相続税の小規模宅地等の特例の適用と同様に、被相続人が老人ホームに入所していた場合であっても、居住用財産の譲渡としてこの特例を適用することはできますか?
(回答)
適用できません。

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