生計を一にするとは?

税金を計算するうえで本人と生計を一にしているのか、という事は非常に重要な論点となります。もし本人と生計を一にしていない、と判断された場合は税金を多く支払う状況になってしまうということを覚えて下さい。

税法上「生計を一にしている」という要件は、所得税だけでも多くの規定に影響を及ぼす要件となります。仮に「生計を一にしていない」と判断された場合には、身近なところでは、収入から38万円控除してくれる配偶者控除や63万円控除してくれる特定扶養控除の適用を受けることが出来ないという状況になります。なので、自分の奥さんや子どもが自分と「生計を一にしている」のかどうか知っておくことはとても重要です。
それでは、「生計を一にしている」とはどのような状態を言うのでしょうか?簡単に言えば本人と財布のひもを共有しているかどうかです。一般的に同じ家に住み、同じ生活を送っている親族は「生計を一にしている」と言って間違いないと思います。それでは、次のような場合は「生計を一にしている」と言えるかどうか考えてみてください。

Q1 遠方にいる息子
息子が大学に合格したので1人暮らしを始めました。生活費として毎月仕送りをしています。この息子は私と「生計を一にしている」と言えますか?

A 言えます。
「生計を一にしている」とは必ずしも同居していることを条件としていません。息子さんは仕送りなしでは生活が出来ないと考えられますので、毎月生活費を仕送りしているのであれば「生計を一にしている」と言えることが出来ます。

Q2 同一世帯=生計を一?
私は旦那と住民票の上では同一世帯です。ですが私も旦那も自営業を営んでおり、子供もいませんしお互い忙しいこともあり、それぞれが別々の住居で生活をしています。離れて生活しているとはいえ旦那とは同一世帯です。この場合は「生計を一にしている」と言えますか?

A 言えません。
同一世帯とはいえ、それぞれ自分の収入でそれぞれの生活をしており独立した家計を持っていると考えられます。たとえ同一世帯であろうともそれぞれが独自の家計を持ち独立した生活を送っていれば税務上は「生計を一にしている」とは言えないことになります。

Q3 2世帯住宅
この度妻の両親と同居することになりまして、1Fに妻の両親が、2Fに我々夫婦が住むことになりました。玄関は1Fにあり風呂トイレも1Fにあります。妻の両親には収入がありますが家賃や光熱費といったものは両親からは受け取っていません。食事は生活の時間帯が違うこともあり別々に食べています。この場合妻の両親と「生計を一にしている」と言えますか?

A 言えます。
たとえ両親に収入があり、また食事を別にしていたとしても、同一の家屋に住み、玄関や風呂トイレといったものが1箇所であること、家賃や光熱費といったものを一切受け取っていないこと、これらを総合的に判断して両親と独立した生活を送っているとは言えないと思います。したがって両親とは「生計を一にしている」と言えると思います。ですが仮に両親から家賃や光熱費をもらっていた場合には「生計を一にしている」とは言えなくなりますので注意して下さい。

一言に「生計を一にしている」と言ってもまだまだ色々な状況が想定できます。同居しているのか、財布を供用しているのか、療養費や生活費を支払っているのか、世帯主と同一の世帯であるか、不動産登記はどうなっているのか、これらを総合的に判断して「生計を一にしている」のかどうかを判断します。
最後に「生計を一にしている」ことを要件にしている所得税の主な規定を列挙して終わりにしたいと思います。
1.社会保険料控除
2.地震保険料控除
3.医療費控除
4.雑損控除
これらは生計を一にしている者の社会保険料等を支払った場合に限 り自分の社会保険料控除等に計上 できます。
5.配偶者控除
6.扶養控除
7.寡婦(夫)控除
これらは生計を一にしている者に限ります。
8.経費の支払い
生計を一にするものに支払った経費は経費として認められません。

TOPICS: